冬と春の間で

201603260055343c1.jpg


2/14 近所の梅園へ。雨と雷と晴れ間が交互に来て、本当に冬と春の間のような一日。

3/5 大学祭実行委員会のメンバーと久々に顔を合わせる。夕方から深夜まで。3次会は有楽町のアイリッシュパブらしきところで、壁掛けのディスプレイから流れていたプライマルスクリームとかレイジとかの懐かしい洋楽のPVを見ながら盛り上がる。

3/11 大学のサークルのメンバーと会う。この歳になると、本当にいろいろな人生がある。大学の時には見えなかったもの。結構、建築の話もした。娘が、寝る前に「流れ星と一緒に飛ぶ夢を見たいの」と言って眠りに落ちた。

3/12 久々のディズニーランド。キャストのサービスが素晴らしく、混んでいることも全く気にならなかった。偶然、高校の陸上部の同期に会う。

3/13 夕方、近所の公園に娘を連れて行く。10m四方でブランコしかないこの小さな空間でのささやかな出来事も、いつか思い出すことがあるかもしれない。

3/16 娘の幼稚園の年少最終日。集合写真などを見せてもらう。親の知らないところで、娘だけの世界が緩やかにできていっている。写真の時にいつも首を傾けているのは、お気に入りのポーズなのか。

3/17 23時から漫画家浦沢直樹さんとの五十嵐大介さんの対談。五十嵐さんがペンで緻密に描き込む度に広がっていく世界に釘付。

3/19 娘の4歳の誕生日。親になる感覚ってよくわからなかったし、今も多分わかってない。まだまだ何もわかっていない。だから楽しい。






2016.03.26 | 日々のこと'16-

ぼくのかばん

ぼくのかばんには なんだって入る

使い古した革の筆箱に
色の煤けたスケッチブック

飴の入った色鮮やかな袋と
くしゃくしゃに折り畳まれた
数枚のレシート

その奥には
翡翠色の風になびく草原や
アクアマリンを溶かしたような
碧に染まる湖

あたたかな陽射しに揺れる花畑
深々と澄み切った冬の星空

ときには空っぽのことだってある

大きな空っぽで満たされたぼくのかばん

ぼくのかばんには なんだって入る

2016.03.26 | ことば

遥かな日々

その公園には
黒い蒸気機関車があって

運転席の下には
昔の石炭が残っている

ちいさな女の子は
その石炭の中を覗き込み

いま 化石を探しているの

といった

この住宅街の中にある
ささやかな公園にさえ
無数の物語が埋もれている

何気ない日々のひと時に
はるか昔の海の中を
旅することもできる

2016.03.26 | ことば

星屑

そらの向こうには
宇宙がある

うみの中にも
宇宙がある

塵は星屑のように
静けさは限りなく

2016.03.26 | ことば

はるのおと

そらを みあげると
べにいろのつぼみが
かぜにゆれていた

つぼみのなかからは
はるのおとがきこえた

2016.03.26 | ことば

しらない時間

どんなところにも
それぞれのくらしがある

それぞれのみる世界
それぞれの思い
感じるにおいや 肌ざわり

しらないまちで
となりにいる
しらないだれか

商店街のはずれの
ちいさな喫茶店は
木の匂いのする
狭い階段を上った先にある

珈琲の香りと 器の擦れる音
ささやくような幾つかの会話

どんなところにも
しらない時間が流れている

2016.03.26 | ことば

10の物語

Ⅰ 帆船

Ⅱ 渡り鳥

Ⅲ くもり空の路地裏

Ⅳ トーストと野菜のスープ

Ⅴ 珈琲と静かな午後

Ⅵ 雨の音色

Ⅶ夕暮れ時のバイオリン

Ⅷ白い壁と月明かり

Ⅸランプの影

X長い夜と白い朝

2016.03.26 | ことば

穏やかな沈黙

それは口をつむぐこと
目をつぶること
耳を閉じること
見過ごすこと
知らないこと
知ろうとしないこと
呆れること
分かり合えないこと


考えること
穏やかな眠りにつくこと
夕凪が止むこと
深く潜ること
ひたすら走ること
絵を描くこと
想像すること
毛布に包まれること


言葉がいらない
時間の中にも
穏やかな沈黙がある

2016.03.26 | ことば

言葉

言葉は
まるで紙ひこうき

あるときは空高くどこまでも
あるときは宙返りをして
淋しそうにぼくのうしろに
落ちていく

思った通りに飛んだときよりも
ちいさな穴や隙間に
吸い込まれるように消えていくとき

あるいは高い壁を
思いがけずに超えたとき

そんなときの方が
心はどこまでも軽くとんでいける

2016.03.26 | ことば

透明に包まれて

つめたい空気に包まれて
からだはちいさく縮こまる

目を閉じて
大きく息を吸い込めば
からだの奥の方から
すっと透き通っていく

降り積もった雪に寝そべり
仰ぎ見た青空のような

サイダーを注いだグラスの
氷の中の気泡のような

透明なものは目に見えない

けれどぼくの前にあるのは
あまりにも透き通った
透明としかいいようのないもの

2016.03.26 | ことば

夏の匂い

ぼくの住むまちには
たくさんの家がある
あたりに溢れかえる
無数の色と音

きみの住むまちには
広いキャベツ畑と
ちいさな川に畦道

空をみあげる

深い青に染まる天蓋
太陽は白く
ひときわ眩しい

ぼくは きみに手紙をかく

手紙には
すこしの言葉と
押し花をひとつ

夏の匂いを
そっととじこめて

2016.03.26 | ことば

ぼくは森になる

ぼくは 船になる
風にふかれて
ながいながい 旅をする

ぼくは 鳥になる
背中にたくさんのまちをのせて
とびつづける

ぼくは 花になる
夕日をあびて
ふわりとゆれる

ぼくは 夜になる
しずけさといっしょに
そっと目をとじる

ぼくは 朝になる
眩しさのなかで
目をさます

ぼくは 森になる
光にむかって
ぐんぐんとのびる
森になる

2016.03.26 | ことば

花と宇宙

花は媚びない

花は頷きもしない

ただそこにあるだけ

誰のためでもなく
静かにそこにある

ただそれだけなのに

ときには誰かの心の中で
新しい芽を咲かせ

見たこともない世界を
見せてくれる

どんなちいさな花の中にも
静かに宇宙がねむっている

2016.03.26 | ことば

ほしのうた

ほしは かがやき
ほしは やさしさ
ほしは しるべ
ほしは いのち

ほしは よろこび
ほしは ゆらぎ
ほしは ひびき
ほしは しずけさ

ほしはうたい
よるはおどる

あらゆるひかりと
あらゆるくらやみを
まといながら

2016.03.26 | ことば

«  | HOME |  »